にじさんじ セレンこと、セレン龍月は2024年2月5日に契約解除という形でにじさんじENを離れることとなりました。
契約違反やいじめ問題など、様々な要因が絡み合って大きな炎上に発展したこの騒動は、VTuber業界に大きな影響を与えました。
その後、彼女はDokibirdとして転生し、独立VTuberとして新たな一歩を踏み出しています。
現在も活発な活動を続けており、にじさんじ時代と変わらぬ人気を維持しています。
この記事では、セレン龍月の活動から契約解除、そして現在に至るまでの経緯を詳しく解説していきます。
記事のポイント
- セレン龍月の人物像とVTuberとしての特徴
- 契約解除に至った経緯と両者の主張の違い
- いじめ問題の真相と業界への影響
- Dokibirdとしての転生後の活動状況
にじさんじのセレンの炎上までの経緯
- セレン龍月とはどんなVTuber?
- 炎上の原因となった契約解除
- セレン龍月に対するいじめ問題
- にじさんじ セレンが契約違反したこと
- ANYCOLORとの対立が深まる理由
セレン龍月とはどんなVTuber?
セレン龍月は、2021年7月に「にじさんじEN」の新ユニット「OBSYDIA」のメンバーとしてデビューしたVTuberです。ドラゴンをモチーフにしたキャラクターデザインと、独特な笑い声が特徴的でした。特にFPSゲーム「Apex Legends」での高いプレイスキルと、エネルギッシュな配信スタイルで多くのファンを魅了しました。
彼女は英語圏向けVTuberとして活動する中で、英語だけでなくフランス語や中国語などの多言語でのコミュニケーションも行い、国際的なファン層を獲得していました。また、自身が描いたイラストやファン向けコンテンツの制作にも力を入れ、クリエイティブな活動も展開していました。
ファンとの交流を大切にし、独特の笑い声や明るいキャラクターで配信を盛り上げる一方で、ゲーム実況では真剣な一面も見せ、その多面的な魅力で人気を博していました。
炎上の原因となった契約解除
2024年2月5日、にじさんじを運営するANYCOLOR社は、セレン龍月との契約解除を発表しました。運営側は契約解除の理由として、「度重なる契約違反」と「SNS上での虚偽発言」を挙げました。具体的には、許諾を得ずにミュージックビデオを公開したことや、SNSで動画の再アップロードを促す発言をしたことなどが問題視されました。
契約解除の発表後、セレン龍月のYouTubeチャンネルやSNSアカウントは非公開化され、関連グッズの販売も停止されました。この突然の契約解除は、特に海外ファンから強い批判を受け、ANYCOLOR社への不信感が高まる事態となりました。
さらに、ANYCOLOR社がこの件について「影響は軽微(negligible)」と表現したことが、英語圏のファンの怒りを買い、CEOが謝罪する事態にまで発展しました。
セレン龍月に対するいじめ問題
契約解除後、セレン龍月は前世名義「Dokibird」のアカウントで声明を発表し、にじさんじEN内部でいじめを受けていたことを告白しました。彼女の主張によると、運営スタッフや一部の同僚からハラスメントを受け、劣悪な職場環境により2023年12月には精神的に追い詰められ、自殺未遂にまで至ったとのことです。
一方で、エリーラ・ペンドラやヴォックス・アクマなど、一部の同僚ライバーは配信でセレンの主張に反論し、いじめには関与していないと述べました。また、セレンが同意なく会話を録音していたことも明らかになり、内部での信頼関係が損なわれていた可能性も指摘されています。
このいじめ問題は、VTuber業界全体における労働環境や運営体制の在り方について議論を呼び起こすきっかけとなりました。なお、この問題については双方の主張が食い違っており、現在も真相は明らかになっていません。
にじさんじ セレンが契約違反したこと
ANYCOLOR社が指摘したセレン龍月の契約違反には、複数の事案が含まれています。中でも大きな問題となったのは、2023年12月に投稿されたミュージックビデオの無断公開でした。このミュージックビデオは、運営からの許可を得ずに公開され、さらにSNS上で「自由に再アップロードしてほしい」という発言をしたことで、著作権管理の面で問題が生じました。
また、クリエイターへの制作料支払いが遅延するトラブルも発生していました。これは、権利許諾管理の不履行やクリエイターへの連絡不備が原因とされています。さらに、他のライバーの意向を無視した創作物の無断利用や、マネージャーへの連絡を怠るなどのコミュニケーション上の問題も報告されていました。
特に深刻だったのは、SNS上での発言に関する問題です。運営側の対応について虚偽の情報を投稿したり、マネージャーに責任を転嫁するような発言を行ったりしたことが、信頼関係を大きく損なう結果となりました。
ANYCOLORとの対立が深まる理由
ANYCOLORとセレン龍月の対立が深まった背景には、双方のコミュニケーション不足と認識の違いがありました。セレン側は内部でのいじめや劣悪な職場環境を訴え、適切なサポートが得られなかったと主張。一方、ANYCOLOR側は度重なる契約違反や信頼関係の破綻を問題視していました。
対立を決定的にしたのは、2024年1月26日にセレンが卒業を申し入れた際の対応でした。セレンは運営からの適切な返答がなかったと主張し、その後弁護士を通じた交渉に発展。しかし、この過程で両者の溝は更に深まることになりました。
また、ANYCOLOR社が契約解除の発表時に使用した「影響は軽微(negligible)」という表現が、特に海外ファンの強い反発を招きました。この対応は文化的な配慮に欠けるものとして批判され、CEOが謝罪する事態にまで発展。結果として、運営とファンコミュニティの間にも深い溝が生まれることとなりました。
さらに、この対立は他のにじさんじENのメンバーにも影響を及ぼし、一部のライバーがセレンの主張に反論する事態となりました。これによりファンコミュニティ内でも意見が分かれ、対立構造が複雑化していきました。
にじさんじのセレンその後の活動
- セレン龍月のDokibirdへの転生
- ファンコミュニティの新たな動き
- 契約解除後の炎上の影響
- 元セレン龍月の現在の活動
- 他のVTuberからの反応と評価
- にじさんじENへの影響と変化
セレン龍月のDokibirdへの転生
にじさんじENとの契約解除から2日後となる2024年2月7日、セレン龍月は前世名義「Dokibird」として新たな一歩を踏み出しました。復帰配信では予想を大きく上回る同時視聴者数12万人以上を記録し、再生回数も150万回を突破。この数字は、彼女への強い支持と期待を表しています。
Dokibirdとしての配信では、これまでと同様にApex Legendsを中心としたFPSゲームのプレイを披露し、特徴的な笑い声とエネルギッシュな実況スタイルで視聴者を魅了しています。また、独立後は自身の裁量でコンテンツを制作できるようになり、より自由度の高い活動を展開しています。
ファンコミュニティの新たな動き
契約解除後のファンコミュニティは、大きな変化を見せています。海外ファンを中心に「#SaveSelen」や「#JusticeForSelen」といったハッシュタグが生まれ、ANYCOLORへの抗議活動が展開されました。一方で、日本国内のファンの間では、運営側の対応を支持する声も見られ、意見の分断が生じています。
新たな動きとして、「#DokiGallery」というハッシュタグのもと、ファンアートの投稿や応援メッセージの共有が活発に行われています。また、独立後のDokibirdへの支援体制も整備され、スーパーチャットやメンバーシップを通じた直接的なサポートも増加しています。
契約解除後の炎上の影響
この騒動は、VTuber業界全体に大きな影響を与えました。まず、ANYCOLOR社の株価が一時的に下落し、複数のスポンサー企業が契約見直しを表明。特に海外市場での信頼低下は深刻で、「#BoycottNijisanji」というハッシュタグが拡散され、企業イメージに大きなダメージを与えました。
また、VTuber業界における労働環境や権利関係の問題も浮き彫りになりました。特に、タレントのメンタルヘルスケアや、海外展開における文化的配慮の必要性が強く認識されるようになりました。この事態を受け、他のVTuber事務所でも運営体制の見直しや、タレントとのコミュニケーション方法の改善が進められています。
元セレン龍月の現在の活動
Dokibirdとして活動を再開したセレン龍月は、以前にも増して精力的な配信活動を展開しています。主力コンテンツであるApex Legendsの配信では、独特の実況スタイルと高いゲームスキルで多くの視聴者を魅了し続けています。また、新たな試みとしてホラーゲームや雑談配信など、より幅広いジャンルのコンテンツにも挑戦しています。
独立後は、自身でスポンサーシップの獲得やクラウドファンディングの活用を積極的に行い、安定した収益基盤を確保しています。にじさんじ時代には制約のあった企画や、自己負担が必要だったプロジェクトも、現在は外部支援を受けながら自由に展開できるようになりました。
他のVTuberからの反応と評価
この騒動に対する他のVTuberたちの反応は、立場によって大きく異なりました。にじさんじENのメンバーであるエリーラ・ペンドラやヴォックス・アクマは、セレンの主張に対して明確な反論を行い、事実関係の説明や誹謗中傷への懸念を表明しました。
一方で、多くのインディペンデントVTuberたちは、この問題をVTuber業界全体の課題として捉え、労働環境や権利関係についての議論を展開しています。にじさんじEN以外の所属VTuberたちは、直接的な言及を避けながらも、業界全体の在り方について慎重な発言を行っています。
にじさんじENへの影響と変化
セレン龍月の契約解除は、にじさんじENの運営体制に抜本的な変革をもたらしました。まず、ライバーへのメンタルヘルスケアが強化され、定期的なカウンセリングやサポート体制の整備が進められています。また、海外ファンとのコミュニケーションにおいては、文化的な配慮や丁寧な情報発信の重要性が再認識されました。
企業としても、タレントマネジメントの方針が見直されています。契約内容の明確化や、権利関係の整理が進められ、ライバー間のコミュニケーションを促進するための新たな取り組みも始まっています。さらに、グローバル展開における危機管理体制の構築や、多言語での情報発信の強化など、国際的な事業展開における課題への対応も進められています。
にじさんじ セレンの活動と契約解除事件を総括
記事のポイントをまとめます。
- 2021年7月にOBSYDIAのメンバーとしてデビュー
- FPSゲームのスキルと特徴的な笑い声で人気を獲得
- 2024年2月5日にANYCOLORとの契約が解除
- ミュージックビデオの無断公開が主な契約違反の理由
- 内部でのいじめ問題を告発
- 精神的苦痛により自殺未遂を経験
- 他ライバーからいじめ告発への反論あり
- 運営の対応に海外ファンから強い批判
- Dokibirdとして2日後に活動再開
- 復帰配信で12万人以上の同時視聴を記録
- ファンコミュニティで賛否両論の議論が発生
- ANYCOLOR社の株価下落や企業イメージ悪化
- にじさんじENの運営体制見直しのきっかけに
- 独立後も安定した収益基盤を確保
- VTuber業界全体の労働環境改善への議論を促進